01.08.14:41
[PR]
05.22.05:49
追憶:導きの英雄
05.19.22:55
from風の国
帰り道
木々を揺らし、一際輝く風に出会った
思わずそらしたその目の先には、誰かが立っていた
向かいの扉に片手を添えて ゆっくりと、入っていった
扉が開いた あの時と同じものを感じた
だから、俺はそれも叩いた
「ようこそいらっしゃいました 放浪者よ 神はあなたを歓迎いたします」
宗教染みたチャイムベル
音の無い 静なる空間
壁には壁画の一つもない 代わりにひたすら綴られる記号のライン
ふたつの長椅子
質素な祭壇
簡素な窓
小さな神像
見事な仮面
この場の何よりも その存在は異質であり、不相応
綺麗な白衣のローブを身に纏い、祭壇に立つ その姿は、まさしく
「神・・・・・・なんていない」
「御謙遜を」
ふわりと微笑むその姿 だれもが見とれる 美しき聖者の様相
「さぁ、こちらへ」
差し延べられた左手
掴めば最後
「なんのつもりだ?」
「はて… なんのことでしょう?」
困った風に小首をかしげた
「オマエが呼んだんだろ?」
「おやおや」
クスリと笑う また笑う
「ばれますよね やはり」
お久しぶり
こちらこそ
なぜ呼ばれたのか わかりますか?
さぁ
会いたかったんです あなたに
それまた 一体何故?
この言葉を授けて差し上げようようと思ったからです
何?
ボクは貴方を越えて見せます
そしてこの手であなたを『殺したい』
そうか
『じゃあそれまで 別行動』
その後すぐに追い出されたのは、言うまでもない話
容赦がないのは昔っからだ
今更どうこう言う気はない
そして俺は またもソイツを出し抜いた