忍者ブログ

・・基本有言不実行・戯言駄文録・・・
04 2024/05 1 2 3 45 6 7 8 9 10 1112 13 14 15 16 17 1819 20 21 22 23 24 2526 27 28 29 30 31 06

05.18.13:53

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

  • 05/18/13:53

10.08.15:27

梓川の手記

一日目
ハローマイゴッド! おはようございます。私は梓川鵺子。ごく普通の、どこにでもいる、頭の少し狂った成人女性。
今朝目が覚めたら、なんだか変な世界に迷い込んでいた。こんな世界にいつからいたのかまるで思い出せない。でも人が突然ワープするようなことはないだろうし、私はこの世界で生きていた人間なんだと思う。
いや、でもどうだろう。私は本当に人間なのかな。人間の女っていうのは、やはりああいうヤツをいうのだろう。
うるさくて、嘘つきで、こずるくて、でも、少し……いいなぁ

二日目
どこまで歩いても見知らぬ建物しか並んでいない。いったい私はどんな遠くの世界から流れ着いたのだろう。
このまま歩き回っていれば、いつかあるへき場所に帰れるのだろうか。
そういえば昼に松ぼっくりみたいな塊を拾った。何かで見たことあったけど、これが手榴弾というヤツだ!
手に取ってみると使い方が自然に頭に浮かんだ。どこで使ってやろうか。今からとても楽しみだ。

三日目
愉快な形状のビルがあったから、入って遊んでいると背後から何かに襲われた。あの時女を貪っていた変なヤツと一緒だ。よだれなんて垂らして気持ち悪い。あんなのの相手なんてしてられない。臭いし……そうだよね、臭いのは駄目だ。
隣の建物に飛びうつればなんとかなったのかな? でもさすがにあの距離は無理。
背中殴られたり髪引っ張られたりしたけど、なんとか逃げ切れた。めんどくさがらないで、髪はちゃんとまとめておくことにしよう。


五日目
昨日までの人形程度ならまだどうにでもなった。でも、さすがにあれはない。どうにもならない。一昔前の映画かよ。
ひどい目にあったけど、指の一本も持っていかれなくて助かった。
怖かった。もう二度とあんなところ行きたくない。


七日目
この前びしょ濡れのまま歩き回っていたせいで風邪なんて引いて寝込んでしまった。いまはもう大丈夫。
あのまま下水道の角に隠れていたら、突然人形どもの群れに囲まれたけど、一人でも意外となんとかなるものだ。
あー、体が痛い。


八日目
「ヘポートと書かれた変な場所に行き着いた。目の前で誰かがヘリコプターで遠くに飛んでいった。
「ゲームクリア」
あたまにそんなフレーズが浮かんだ。
私もあれに乗るべきなのだろうか? どうだろう?
私の行くべき場所はここではない気がする。とにかく今は歩こう。そうだな、旅だ。私はきっと旅をしている。


九日目
遠くの方で小さなガキがさまよっているのを見かけた。近くに親もいないし、一人きりのようだ。大きな棒きれを身構えて、唸り声をあげて威嚇している。なんだか気持ち悪い。
しばらく眺めていると、ふと手榴弾のことを思い出した。興味本意だ。
結果は成功を越えた大成功! さっきの子供は赤黒くてすっぱい体液を飛ばしながら伸びていた。
そうか、こういう変なヤツはこうしてやればいいんだ。今まではずっと逃げることだけ考えていた。


十一日目
また風邪ひいた! まだ治ってなかったのかもしれない。昨日の大雨で川に流されて、そのあと雨の中を走り回ってこのザマだ!
カッコ悪い、すっごくカッコ悪い。


十三日目
青い顔で釣りをしている変な人に会った。水場はこりごりだが、こういうことがあるならまた来てやっても悪くない。
魚をたくさんもらったけれど、これは食べれる種類なのかな? でも魚なんだから美味しくないってだけで、食べられないこともないだろう。生物だから早めに食べなきゃいけないね。
一匹焼いてみたけど、苦くてしょっぱくて、でもまぁ……そんなに悪くない味だった。


十四日目
今日昨日はいいことが続く。やたら小綺麗な家を見つけたから入ってみたら、中には色んなものが転がっていた。
包帯に、真新しいお米に、乾パンなんてものまであった!
せっかくだからキッチン借りてやろうと思ったけど、ガスも電気も止まっているのを思い出した。仕方ないから鍋だけ借りて、適当に米とか煮て食べた。美味しいな。
この家の中はなんだかとても安心する。何も壊れていないからなのかな。ここを出る時は感謝の意を込めて、あのご夫婦を家と一緒に燃やしてあげよう。きっと喜んでくれるはず。
なんだかとても眠い…とても……


十六日目
見知らぬ和室で目を覚ました。傍らには二人の老人がちょこんと座っている。痩せ干そって心許ない外見をしていたが、人の良さそうな顔をしていた。
起き上がろうとしたらからだが動かない。そうだ、昨日私は理不尽な巨体の化け物に襲われて、家屋の下敷きになっていた。背中が異常に痛いのは、あの化け物、そうだ熊だ。巨大な熊の化け物に引っ掛かれたからだ。
これは痕がのこるな。嫌だな。熊に引っ掛かれた傷とか、いつの時代の冗談だよ。

追記
食べちゃった
人間ってこんなものか。もっとジタバタあがくと思ったけど、こんなものなのか。
あんまりかじるところもなかったけど、今日の分の飢えはしのいだ。もらった食糧もあるし、しばらくはもつだろう。
前みたいに奇襲をかけられてもたまらないし、さっさと立ち去ろう。休はちゃんと休めたよね。
なんとなく骨を一本拾っておいた。


十七日目
今日もよくわからない連中に追いかけられた。以前みたいに走れなくて苦戦していたら、軍服を着たおじさんに助けられた。
お礼がてら話をしていると、どうやらあれは「ゾンビ」というもので、ウイルスだとか、噛みつかれたりだとかすると同じようなことになるらしい。自我がなくて、ただただ本能のままに人を襲う……化け物。
人なら私も食べたけど、それを言ったらこのおじさんはなんというのだろう。
おじさんの服は軍人から貰ったものらしい。軍服…カッコいいな……


十八日目
くれと言われたから渡したら、おじさんったら一生懸命かじりついて、貪りついて、なんだかすごく滑稽。必死で生きてるなぁって感じ。
私はどうだろう、おじさんくらい必死で生きているのかな。
代わりにくれた地図を見てみたけど、なにがなんだかさっぱり。大事なものだから持っておけって。騙されたのかな?
食糧袋が軽くなっちゃったから、なんだか出して食べる気がしない。袋の中に骨が一本紛れているのに気付いて、そうだ!と頭が閃いた。
腹一杯で伸びているおじさんの首を後ろからロープで締めてやった。
good-bye また何処かで会いましょう!

服がボロボロでみっともなかったので、おじさんの軍服を拝借しました。
あとはコレ! どこの骨でしょーう?


十九日目
今日は本物の軍人さんに会った。どうやら昨日のおじさんを探しているらしい。会えてよかったじゃない。
私の軍服に疑問を持っていたらしいが、死体から剥ぎ取ったと言ったら勝手に納得してくれた。
手ぶらな私をみて立ち去ろうとしていたから、後ろから石で殴ってやった。ヘルメットはいつもつけてなきゃ危ないよ。
うん、でもコイツは美味しくない。


二十日目
この辺りはやけに軍人さんが多い。今日は偶然みつけた死体から鉄砲を拝借した。弾はたくさんあったから、試しに何発か死体に向けて打ってみた。外した感覚、当たった感触、なんとなくわかってきた。やればできるじゃない、私!


二十一日目
今日はなにもなかった
なんだかこんな日記書くのもバカらしい


二十二日目
今日は聞いたこともない名前の学校を発見した。色々と小さかったから、きっと小学校。
がらんと開いた校門。くだけ散った窓ガラス。張り倒されたドア。掘り返されたグラウンド。
白かったであろう廊下の壁が赤いシミで染まっている。
廃墟みたいだけど、荒らされてるだけで崩れたりはしないだろう。中を歩き回っていると保健室を見つけた。ラッキー!


二十三日目
昨日見つけた救急箱で背中の包帯なんかを取り替えていると、けったいな野犬の群れに襲われた。
身を隠しながら銃を撃ちまくっていたら、結構あっさり引いてくれた。
少し腕をひっかかれたけど、この程度、あの時の熊と比べるとどうということはない。
あぁ、しかし動物と戦うのはちょっと怖いなぁ。


二十六日目
ここしばらくはずっと学校の周りを歩き回っていた。カラオケボックスだとか、ホームセンターだとか。にぎやかで面白い町だったね。
ホームセンターではチェーンソーを拾った。ライフルは遠くから撃つようだし、これは近くに寄ってきた時に使おうかな。
最後はまた学校の保健室に戻ってきて、からだをちょちょっと休めました。
明日はまた別の場所に行こうかな。


二十七日目
どいつもこいつも本当に信用ならない。そろそろ人間不振になってしまいそう。
あの男はうっかり殺してしまったので……うん、仕方ないよね。
久しぶりのお肉は美味しい。


二十八日目
ボロボロの教会を発見。入ってみると中もボロボロ。夜風がしのげそうだから、今日はここで寝よう。床に小さな十字架のロザリオが転がっていた。汚れてくすんだ色をしているけれど、もとはきれいな銀色だったのだろう。
この世界には神様がいなかったのかな。
なんだかとても疲れた。おやすみなさい。


二十九日目
起きたら目の前にやたらいかつい男が立っていた。どうやらこんなところで寝ている私を心配していたらしい。
男の人は神父さんだったそうで、いや、今も神父のままだと言うね。昨日拾ったロザリオを見るとと大いに喜んだ。どうやらコレを探していたらしい。
そんなこんなで妙な神父になつかれてしまった。カンフーの達人だというこの男、試しに板でも割ってくれというと、神父はそんな野蛮なことしないと宣う。
「貴方が危なくなった時には、この私がきっとお守りいたしましょう」
下手な口説き文句だな。でもいいや、あんなロザリオよりは、ずっと役に立つだろう。ライフルも弾切れだったし、ちょうどいいのかもしれない。


三十日目
問答無用で銃を向けてくる気持ち悪い男に遭遇。神父の説得にも耳をかさず、食糧を寄越せと怒鳴り散らして迫ってくる。
でもアイツ、人を撃つ勇気はなかったらしい。近づいてくる私に興奮して、半狂乱で乱射して、何発か当たったのを見て泣き出した。可愛そうだからチェーンソーでポトンと落としてやった。
返り血が少しついちゃった。洗濯する機会も少ないっていうのに、迷惑な話だな。
男の体を切り刻んで広い集める私を、神父は変な顔で睨み付けていた。
あんたがついてくるって言ったんでしょ?
そういってやると、神父は何も言わなくなった。
やっぱり変なのかな、私。でも変なままでいるのは嫌だな。今は何もしないからいいけど、コイツもいつか殺してしまおう。うるさくなったら殺してしまおう。


三十五日目
こんばんは! なんだか久しぶりの日記だね。
ここ最近は色々あったよ。色々あった。けど、とくに何もなかったかな。
また風邪引いて倒れちゃってたよ。でも、今回は神父さんがいたから幾らかマシだったかな。一人じゃないってこんなに違うものなんだ。
体はもうボロボロだね。立って歩けるのが不思議なくらい。
でもなんだか楽しかった。真っ暗な森も、キナ臭い研究所も、そんなに不安じゃなかったと思う。
男の人ってたくましい。


三十六日目
今日も一人


三十七日目
今日も一人


三十八日目
白衣を着た誰かさんの死体があった。死体、死体か……死体は食べられないよ。腐ってるかもしれないし、ゾンビだったかもしれないし。

三十九日目
今日も一人


四十日目
ポテトチップスたべた!


四十一日目
今日も一人!


四十二日目
古くさいものばかり飾ってある建物の中で、綺麗な刀を見つけた。これならチェーンソーなんかよりずっと綺麗に肉が切れるね!
神父に自慢してみたら、一緒に喜んでくれた。
赤茶けたチェーンソーは建物の中に置いてきた。


四十三日目
エレベーターが上から落ちてきたと思ったら、中から大量のゾンビが飛び出してきた。いつぞやのクローゼットを思い出すけど、そんなのの比じゃない。
私はもうこんな数から逃げられる体じゃなかったから、ここで死ぬのかと思った。でも違った。
神様っているもんだね。


四十四日目
今日の夜にやっとあのビルを抜け出せた、あんな危ないところ、もう二度と入るもんか!
神父さんに担がれながら、これからどうなるのかなぁとぼんやり考えた。
あんたも傷だらけだね。ごめんね無理させちゃって。私の分まで、ごはんいっぱい食べていいからね。


四十五日目
今日も一人
人を殺すのも、食べるのも、疲れるなぁ
そういえば、館がどうとか行っていた。私には関係のない話だよね。


拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら