01.10.21:12
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05.22.06:04
自虐趣味の殺戮者-1-
-side SOUD-
深夜 俺は目を覚ました
何も音が聞こえない、夜の領域内を賑わす神々は寝静まってしまったのだろうか
いつもはほのかに届く電飾の光が、今日は窓から一つも見当たらない
真っ暗だった 空を見れば月すら出ていない 珍妙な漆黒の夜
閑かと言うより、不気味と言った方がいい
そういえば今日は祭りがあるとレクトがぼやいていた気がする
きっと皆、どこかに集まっているのだろう
モントも弟の付き添いでついていったんだろう それなら月がないのも納得できる
風が無いのも、音が少ないのも、灯りがないのも きっとそのせいだ
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05.22.05:54
追憶:導きの英雄 C
基地に帰ると、入り口の扉は開いていた
そこから中を窺うと、事務室の窓ガラスの奥に、マグニと数名の隊員の姿があった
ライディは気付かれないようにそっと事務室の壁に近付き、彼らの話を聞いた
「よりによってこんな緊急事態に訪問するとは、奴等の頭はそこまで沸いていたのか!」
マグニが何時になく機嫌の悪い声でそう言っていた 声色が低い 相当怒っているようだ
机に分厚い書類の束を叩きつける大きな音が立ち、
ライディを含み、横に立っていた数人の隊員の身をビクリと震わせた
椅子が引かれる音がした
マグニが立ち上がったらしく、ライディはフロントカウンターの後ろに身を隠した
事務室の扉が力任せに開かれ、出て来たマグニは隊員に何かを指示した
隊員は敬礼をすると、外へ飛び出していった
彼らが出て行くのを確認すると、マグニは扉をまた施錠し、そのまま通路の奥へと行ってしまった
ライディはそっとカウンターから出ると、気付かれないようにマグニの後ろについていった
やがてマグニはとある一室の前で立ち止まると、眉間に手の平を当て、溜息をついた
そして軽くノックし、部屋へ入っていった
ライディはしばらく出てこないことを確信できた頃に、扉の前へやってきて、室内の会話に耳を傾けた
05.22.05:52
追憶:導きの英雄 B
名門であるグラビティ家の家系図に、真新しい名が追加されてしばらくのこと・・・
ライディを保護していた部屋の期限は切れ、そこにはすでに他の子供が住むようになっていた
代わりに彼は現在、勝手に養父になった俺と暮している
小さな子供が一人くらい増えたところで、こちらの暮らしになんらかの支障がでることはなかった
むしろ家事を勝手にしてくれる息子に世話になっているくらいだ
ライディは新しい暮らしに戸惑っていたようだが、日が経つにつれて段々と慣れてきたようで、
俺に対する態度も、本当に少しずつだが友好的なものに近付いてきている ような気がする
あいかわらず機嫌が悪そうな顔をしていたが、それは以前より和らいでいるんだ と思いたい
そんな日々が続いていたある日、俺の下にまた一通の手紙が届いた
その手紙の内容は、我々西国保安部隊に対する任務の依頼だった
やがて任務の内容は大規模な魔物の討伐遠征へと発展していった
俺は当然この遠征に参加することになり、数週間戦いの場にて隊員の指揮をとらなければならない
他の仕事はマグニを始めとした部下に分配し、基地内での隊員の指示や管理も同時に委ねた
武器や防具も新調したし、勝利を祈願しに教会にも出向いた
皇帝にもことの次第を説明したので、都の警備もひとまず安泰
ほぼ全ての準備が整った それから俺は最後にマグニへライディの世話を任せた